調理器具

「ALESSI アレッシィ エスプレッソコーヒーメーカー」のレビュー

「ALESSI アレッシィ エスプレッソコーヒーメーカー」

以前に掲載しました「アレッシィ エスプレッソコーヒーのメーカー」ですが、あの時の記事は外観のみのご紹介でしたので、今回は根っからの紅茶党であります私bobが再度、そして詳しくご紹介させて頂きます。

・ALESSI アレッシィ エスプレッソメーカー!の記事はこちら

エスプレッソとは

重力で抽出するドリップ式に対して、高い圧力を豆に加えて一気に抽出するのがエスプレッソで、抽出時間が短いので、コーヒーのうまみだけを引き出すと言われています。

電気式or直火式

エスプレッソメーカーには電気式と直火式があり、通常コーヒーショップで使われているのは電気式(ポンプ式)のマシンで、直火式に比べて高価で、また高圧で抽出するために、大変濃厚に仕上がります。そしてクレマと呼ばれるあの泡が発生するのも、電気式(ポンプ式)ならではです。

そして今回ご紹介するエスプレッソメーカーは残念ながら直火式で、、、じゃなくて、直火式にも直火式の良さがあるのです。
ではどこがいいところなのか。

  • 電気を使わずにできる。
  • メンテナンスが楽。
  • 場所を取らない。

立派じゃありませんか。
また、日本ではマイナーな直火式のエスプレッソメーカーですが、本場イタリアの家庭では、この直火式のエスプレッソメーカーをマキネッタと呼んで毎日使って楽しんでいると、そんな生の声をいくつも聞きました。
何人かは「マキネッタ」って言葉が出てこず、雑巾を絞る仕草をしながら、アレで毎日コーヒー淹れてた、と表現していましたが、これはサーバー部とボイラー部をねじ込む仕草だと、後になって気付きました。
ただ、今回ご紹介します「アレッシィ エスプレッソメーカー」はねじ込み式では無い独自の方式を採用しており、そこがまた魅力なのです。


まずは商品説明です

Amazonさんから拝借します。

●Richard Sapperによるデザインの直火式エスプレッソコーヒーメーカー
●この9090シリーズはALESSIにとって最初のエスプレッソコーヒーメーカーだっただけではなく、1930年代以降でキッチン用品としても初めてのアイテム
●「COMPASSO D'ORO(1979年)」を受賞し、ニューヨークのMOMA近代美術館にも展示
●1979年に発表されて以来、長年にわたり最も人気のあるコーヒーメーカーの一つとして存在感を示しているアイテム
●沸騰が早く電気やガスの節約にもなるすそ広がりの底、マット仕上げで滑りにくいハンドルや、液だれしないように小さく作られた注ぎ口、密閉がワンタッチで可能なレバー式開閉などただシンプルなだけではない、究極のデザインがこのアイテムには凝縮
●こちらの9090/3(3カップ用)はIH調理器対応仕様
●付属しているフィルターを使えば1カップのコーヒーの抽出も可能

出典:Amazon.co.jp

なかなかのプロフィールですが、受賞歴やIH対応などは買ってから知りました。
ともかく私はこの”スッとした”デザインと密閉がワンタッチで可能なレバー開閉式、という点でこのエスプレッソメーカーを選びました。

そしてパーツ紹介です

斜めからのアングル。

そして背後から。
惚れ惚れするデザインです。
でも、ステラ ナポレターナの無骨なデザインも気に入っています。
ステラ ナポレターナの記事はこちら

パーツは大きく分けて3つからなっております。
ただし、ゴムパッキンや圧力弁を含めますとその限りじゃありません。
ステラ ナポレターナが4つの部品だった事を考えますと、一見シンプルにも見えてきますが、これを触った後にステラ ナポレターナを触りますと、断然ステラ ナポレターナの方がシンプルですし、後片付けも楽です。

ステラ ナポレターナでいうところの「ボイラー」部です。
溶接やネジ止めなどでいくつかの部品が付いていますが、かなり堅牢なつくりです。

中を覗いてみますと、セーフティバルブ(ボイラー内の過度に上がった圧力を逃すパーツ)が見えます。
このこのパーツの出っ張りは水を入れるときのガイドとなり、その状態を意図せず毎回確かめる事となります。

裏を向けるとこんな感じで、メーカー名や生産国などの刻印が見えます。
毎回直火に晒される部分なのですが、特に焼き付いたりという事はなく、拭けば取れる汚れだけがついております。
(右斜め上のサビっぽいのも、コーヒーがこびり付いているだけです)

フィルター部です。

裏を向けてみましたが、特に語るところはありません。ただ、ビール醸造施設のタンクの形を思い出しました。

そしてメインのサーバー部です。

上から覗き込むとこんな感じです。この棒の様なものの上部からフィルターを通ったコーヒーが出てきます。

裏側です。
このゴムパッキン(ラバーワッシャー)は消耗品ですので、蒸気などが漏れ出したら交換しようと思います。

ハンドルは可動式で、ボイラー部とドッキングさせるときに、ガチっと元の場所に戻す事となります。
ちなみにボディはステンレスなのですが、こちらのハンドルは鋳物です。
この色味のコントラストがデザインに一役買っております。

いよいよ淹れます!

さて、今回は「illy イリー」のミディアムローストを使用します。
他にも色々と試しましたが、とりあえず今はコレに落ち着いております。
まだ自分のコーヒーの好みがよく分からんのです.....。

どこに行ったか探していたカリタのメジャーカップがこんなところから出てきました。
空気を遮断していたおかげで、銅が酸化せずそのままの色で発掘されました。

ペッタンペッタンを楽しむ為に割と大盛りに。

きましたペッタンペッタン。
コレに使う豆は極細挽きですので、中粗挽きで淹れる事の多いステラ ナポレターナの時よりもやり甲斐があります。
ギュッと押し込んだ時に、中粗でしたら戻る感じがあるのですが、この極細挽きですと、押し込んだ分ギュッと固まる、そんな感じです。
また、極細挽きは電気式用なので、直火式で使うとフィルターの目詰まりを起こす、と聞いたことがあるのですが、今の所目詰まりを起こしたことは一度もありません。

造成完了。
固めれば固めるほど抽出するときの圧力が上がるとあり、実際やりすぎてセーフティバルブから蒸気が噴き出したことがありました。パーツにも負担がかかりますので、これでも若干余裕を残したペッタンペッタンで仕上げておきます。

ただし、予備のセーフティバルブはストックしていますので、いつでもOKです。

ボイラーに水を入れます。
水を入れるなんて当たり前の様な事なのですが、毎回毎回使っていると、稀に水を入れ忘れるチョンボも起こり得ます。
そして、このエスプレッソメーカー、いや、直火式のエスプレッソメーカー全てに言える事なのですが、水を入れ忘れて空焚きをしてしまうと、一発でオシャカになってしまいますのでお気をつけ下さい。

次に水の分量についてです。
私はこの弁のポッチに当たるぐらいのところにまでにしています。

そして粉をペッタンペッタンしたフィルターをボイラーにセットします。

こんな感じになります。
若干粉をこぼしておりますが、大盛りからのペッタンペッタンにはつきものです。きっと皆さんもこぼすはずです。
それよりも大切なのは、このこぼした粉を地面に落とさない事ではないでしょうか。

そしてサーバー部とドッキングです。
他の直火式のエスプレッソメーカーがグリグリとねじ込み式なのに対して、アレッシィのは一発ガチン!とドッキングさせるもので、これがアレッシィ最大のアイデンティティであり、見せ場でもあります。

気を付けて頂きたいのはこの穴にセットする突起です。
一つ前の画像を見て頂きますと分かります通り、前後に2つ同じ様な突起がございます。
これの小さい方を穴にセットします。
この間違いは慣れていても気を抜くとやりがちですので要注意です。
ちなみに違う方の突起に入れてドッキングさせようとしても、グニャリとなり、ガチッとはドッキングできない仕組みとなっております。しかし、このグニャリはなんとなく結合部が傷みそうな感触なので、できれば間違えない様にしたいですね。

先にご説明した通り、小さい方の穴に引っ掛けます。

こんな具合です。

そしてハンドルを大きい方の突起に引っ掛け、上から押さえながら、躊躇することなく力を加えます。

ガチン!!
と、こんな感じで完成です。
後は火にかけるだけで、沸いた後もステラ ナポレターナのような天地返しはありません。

今回は五徳アダプターを使います。

ハンドルが熱せられるのを和らげるために中心からずらしてセットします。

カセットフーマーベラスを使った方がサマになりそうなのですが、撮影のために出していたユニフレームの方を使います。ネタバレも甚だしいですね。

これぐらいオフセットしてもハンドルは熱くなりますので、触るときは十分に気をつけてください。

火にかけてほどなく黒い液体が上がってきます。

コポコポと泡が出てきました。

この色、この泡、夜店のカルメラ焼きを思い出しました。

お!?クレマっぽい?
しかし注ぐ前に跡形もなく消えてしまうのが、直火式エスプレッソメーカーの悲しき定めなのです。

友人から出産祝いで頂いたデミタスカップで頂きます。
家族3人だから3つです。
でも、もう一人生まれたので、もう一つ要ります。
ですので近々おねだりしようと思っております。

謳い文句通りで液だれせずに注ぎやすいです。商品説明に嘘はありませんでした。

3カップ用ですが、適当に入れるとこんな具合になってしまいます。

ともあれこの撮影の後、マグカップに注いで、ミルクをガバガバと入れて飲みました。
その味はミルクで薄められても香りとコクは強く、とても飲みごたえがあります。
また、短時間で抽出するので、カフェインはそんなに多くないと聞きますが、そんなの関係なしに私の眠気を削ぎます。プラシーボかも知れませんが。

まとめ

この直火式の良さは、いつでもどこでもエスプレッソが楽しめる、この1点に集約されるのではないでしょうか。
使い込むと、なんだかコーヒーの香りが器具に染み込んでいく様なそんな気がして、愛着も増します。
また、電気式に対して抽出時の圧力が低いのは仕方ないのですが、それでも抽出後の粉の固まり具合は結構なもので、フィルター掃除の時には、形そのままの塊状態でゴトッ!と外れ、その蒸気圧に感心させられます。
アウトドア好きでコーヒー好きの皆様方、直火式エスプレッソメーカーはオススメですよ。
パーコレーターで淹れたコーヒーとは一味も二味も違う豊かなコクと風味をお楽しみいただけると思います。

以上、根っからの紅茶党のbobがお送りしました。

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